Raw現像―解像度とプリセットについて
PhotoShopのRaw現像ソフト「Camera Raw」で、補正を行なう前にやっておくべき「●解像度の変更」と「●つくっておくと便利なプリセットの設定」について説明します。
※動画は720HD画質です。フルスクリーンでご覧ください。
設定前
設定後
今回は、RAW現像前の本格的な補正に入る前に、解像度の変更と基本補正(レンズ収差や色収差の軽減と、色温度とトーンカーブ)を微妙に動かしてみました。黒つぶれしている部分と白飛びしそうだった部分の改善とともに、日本のカメラに多い青み感を少しだけ除去しました。秋らしい色合いの山になりました。
Step1
●解像度を変更する
- Camera Rawで画像を開いて、画像下の最下欄の[Adobe RGB(1998):8bit, ………300ppi]などと書かれているところをクリックして[ワークフロースペース]を開く。
- [画像のサイズ調整]の中の[解像度]で、キヤノンブリンターの場合には「300pixel」、エプソンプリンターの場合には「360pixel」にする。
- [カラースペース]の中の[ビット数]は、細かい作業をしながらトーンを守りたいときは「16bit」にする。ただし、フィルターなどが使えない場合があるのと画像が重くなる。ゆるやかなトーンがないときは「8bit」でOK。この辺りは自分の作業の内容によって決めるといい。
- [カラースペース]の中の[カラースペース]は一般的には「sRGB」にする。
- 右上の[OK]をクリックして保存。
Step2
●つくっておくと便利なブリセットの設定
- [カメラキャリプレーション]のパネルを開く。[処理]は最新のものを選択。[カメラプロファイル]はいろいろ選べるが、私の場合は「Adobe Standard」を選択。[シャドウ]から下の部分はここではノータッチ。
- [効果]のパネルを開く。[粒子]などの設定もこのままにしておく。
- [レンズ補正]のパネルから[プロファイル]のタブを選択し、[レンズプロファイル補正を使用]にチェックを入れると、レンズの歪みなどを修正してくれる。次に[カラー]のタブを選択し、[色収差を除去]にチェックを入れると、レンズ周辺で起きるフリンジなどの色収差が軽減される。[手動]のタプでは、建物などのパースを補正できるので、必要に応じて行なう。この画像のような自然風景の場合には変更なしでOK。
- [明暗別色補正]と[HSL/グレースケール]のパネルもノータッチでOK。
- [ディテール]のバネルを開く。シャープはプリントする前に決めるので、[シャープ]は「0」にする。デフォルトでは「25」になっているので要注意。
- [トーンカーブ]バネルも変更しない。
- [基本補正]のパネルでは、画像を見ながらスライダーなどを動かして補正する。ここでは、[色温度]で青みを抑え、[トーンカーブ]で黒つぶれしていたところを補正し、白飛び気味の部分を補正した。
- [プリセット]のパネルを選択。[新規プリセット]を開いて、[ホワイトバランス]から[ポイントカーブ]までのチェックを外すと同時に、[シャープ]からの下のチェックは入れたままにしておく。[名前]に適当な名前を入れて、[OK]をクリック。
- [プリセット]パネルの中に保存した名前が残るので、次回からをこれをクリックして画像を開く。[カメラキャリプレーション]から[トーンカーブ]の設定の必要がなくなり、[基本補正]パネルだけを設定すればよくなるので便利になる。