Artist Statementの書き方 実例(1)第1稿

久保田さん第1稿 / The case of Masaya Kubota I

私は10代の頃から人が困難な出来事に直面したときどう乗り越えていくかということに興味がありました。それは否定的な観念ではなく、人はどこまで希望を信じどのようにして目標を成し遂げていくかということです。
東日本大震災のあと、もうこれ以上はないと思うほどの悲惨な状況が身近に起こり、私はそこに生きる人々から何かを学びその経験を後世に残したいと思いました。私にとっての伝える唯一の手段は写真でした。壊された街並みを撮影していくうちに、そこで生きる人々の思いをもっと知りたいと思いました。そしてボランティアなどを通じて仮設住宅に赴きたくさんの出会いと助け合いに触れ、人は一人では生きていけないとそのとき痛感したのです。

不自由のない暮らしの中で、人と人とのつながりが薄れつつある現代社会。
困難な状況だからこそ見えてくるものがあるのではないでしょうか。
私は写真を通じて人間にとって大切なことはなにかと問いかけたいのです。
被災地から学んだ思いやりや助け合い、すばらしい日本文化の精神を伝えていくことは東北に生まれ育った私の使命だと思っています。

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