CP+2014展示作品の制作プロセス
作家名 佐々木 一弘 Kazuhiro Sasaki
用紙
ハーネミューレ フォトラグ
用紙を選んだ理由
ファインアートの中では写真家に人気の用紙であるとともに、滑らかな面質に適度のテクスチャーがあり、波と夕景を表現するのにちょうどいいバランスであることと、豊かな色表現ができることから選択した。
プリンター
EPSON PX-5002
ステートメント
タイトル「鳥音色 」~Bird tone color~
一瞬の光景を写真で表現したとき、私は記憶にある情景とは相容れない何かを感じることがある。その写真には一瞬よりも長い時間を持つ情報が欠けているのではないか。そう思うと、私の情景を表現するにはカメラのシャッタースピードはあまりにも短すぎる。いまの野鳥たちは美しく、格好よく、愛らしい。 しかし、恐竜の生き残りとも言われるようにその生態は獰猛でもある。時間とともに愛らしく変化した要素と、時間を経てもなお変わらない部分とを持ち合わせる鳥たち。その一生は短いが、太古の昔からDNAに記憶されている歴史は極めて長い。時間軸上で異なる要素を持ち合わせているからこそ、私は被写体として野鳥たちを選ぶ。異なる時間軸を共有する野鳥を異なる時間軸を共有する情景とともに表現したいと考えている。
レタッチ及びプリントの作業内容
- [Camera Raw]にてRAWデータを現像。このときに[露出補正]をプラス方向に行なう。
- 夕陽を印象づけるために[段階フィルター]により色温度をプラス方向へ調整し、赤みを足す。また、下半分の海の色をより蒼くするためにマイナス方向へ調整する。
- [レンズ補正]により周辺減光を加える。
- [PhotoShopCC]にて不要な雲の除去を行ない、Nikのソフトウェア[Color EfexPro4]でソフトフォーカスを少し入れる。
- [トーンカーブ]調整と[レベル補正]を行ない、最後に[スマートシャープ]をかける。
- 自作ICCプロファイルにてプリント。