カラーマネージメントの基礎(冨川さん)
冨川さんにはカラマネの基礎の基礎から、プロファイルのつくり方やプリンターの[プリント設定]まで、すべての流れを教えていただきました。なぜ、そうしなければならないかの説明にはいつものように目からウロコ。参加された方々も熱心にメモを取ったり、写真を撮ったりされていました。
デジタルカメラのデータとはどのようなもので、なぜ、sRGBやAdobeRGBという色空間を選ばなければならないかをわかりやすく解説してくれています。
※YouTubeサイトでより大きな画面でご覧いただくことができます。
デジタルカメラやモニター、プリンターの色はRGBで表現されている。しかし、RGBの数値が同じでも色が違ってくるから、カラマネは必要になるという。
厚みのある用紙を使うときなどにはEPSONプリンターの場合には[用紙調整]→[用紙厚][プラテンギャップ]で、CANONの場合には[プリンタユーティリティ]→[特殊設定]→[用紙のこすれを改善する]で調整します。
プリント設定で用紙種類を選択するのは、インクの吐出量を設定するためでということも初めてわかりました。マットプラックインクではVelvet Fine Art Paperで[超高精細]がもっとも多くなるという。
ColorMunki だけでなく、i1proを使ったプロファイルのつくり方も教えてもらいました。この日の参加者3名が購入していたためです。マニュアルはありますが、実際に教えてもらえたのでお得でした。
[プロファイル作成条件]画面はほとんどデフォルトでいいそうですが、EPSONのSC-PX-5V ll のColorBase2を使う場合にはプロファイルのバージョンは4でなく、2でないとダメらしいです。
モノクロプリントとColorBase2(吉田先生)
EPSONプリンターのモノクロモードを使っているという吉田先生。その設定について、調色なども含めて披露していただきました。
EPSONのColorBase2は初期設定のグレイに戻してくれるため、まったく同じ作品をつくらなければならないときには強い味方だという。
モノクロ作品のプリント設定について(村田さん)
村田さんはまずLab数値について解説。Lは明度、aはマゼンダとグリーンの色相と彩度、bはイエローとプルーの色相と彩度を示す。
実際にプリントした結果を見せながら、プリンターの[用紙種類]の設定について、どの用紙のときはどの用紙種類にすべきか検証してみせてくれました。
モノクロモードでプリントする際にある詳細設定についてもすべて検証。どのような結果が出るかを把握したうえでオススメの設定を教えてくれました。
その結果、[モノクロモード]でモノクロプリントする場合の長所と短所、どのくらいの数値が妥当かを語ってくれています。
参加された皆さんも自分の作品で体験
フレスコジクレーやアワガミ、伊勢和紙、極紙、シルバーラグなどさまざまなアート紙を用意。なるべく自分の作品で体験してみる時間を長く設けました。
無料のこのセミナーは年に2回ほど。それぞれの分野でこれほど詳しい人はいない方に教えてもえらえるのですからすぐに満席になります。
実際にプリントし、数値を測り、検証した結果に基づいたそれぞれの用紙のためのレタッチには多くの方が熱心に聞き入っていらっしゃいました。
初めて、マット紙にプリントされたという参加者はフレスコジクレーの立体感を見るために、スポットライトの下へ。とてもご満足されたようでした。
大阪からわざわざ参加された方に感想を伺いました。プロファイルのつくり方から、レタッチ、プリントとすべてが初体験で興奮されていらっしゃいました。
マット紙にプリントしてみたかったという方。吉田先生にレタッチの指導を受け、できあがった作品を見て、プリントの奥深さに目覚められたようでした。