2015年5月30日勉強会の議題
- モニターキャリブレーションのやり方(佐々木)
- 高解像度時代のシャープネスの考え方(村田)
- 海外の写真フェスティバルで求められるスピーチ力(吉田先生)
- 表現力向上プロジェクト「存在」を表現する(田上、蓮見、村田、野村、佐藤素子、佐々木、前田)
- 来年のヒューストンFOTOFESTと先日のAdobeセミナーについて(蓮見)
- 見学の皆さんの作品発表
モニターキャリブレーションのやり方(佐々木一弘)
作品を思い通りに仕上げるためにはモニターのキャリブレーションと使用する用紙とブリンターによるICCプロファイルをつくる必要があります。その第一歩と今回はモニターのキャリブレーション方法を佐々木さんが解説。まずはハードウェア・キャリブレーションといって、モニターを手入力で調整し、その後、ColorMunkiでソフトウェア・キャリブレーションしていきます。
高解像度時代のシャープネスの考え方(村田光司)
デジタルカメラの高解像度化が進み、撮影後にシャープネスをかけるとうるさい画像になることもある。そのため、シャープネスに対する考え方を改める必要があるという。
村田さんはそれを実際のプリントで検証。カメラが高解像度になっていく現在は、シャープネスをかけるというより、シャープネスを抑えることが必要になるかもしれない。
海外の写真フェスティバルで求められるスピーチ力(吉田繁先生)
昨年、ロシアのクラスナダールで開催された国際写真フェスティバル「PhotoVisa」で、1時間半のスピーチを求められた吉田先生はそのときに学んだことを発表された。
作品同様にスピーチも「なぜやらなくてはならないのか」「何が言いたいのか」「何をもたらすことができるか」が必要。写真を通してそれらを提案する力が必要だという。
表現力向上プロジェクト「存在」を表現する(田上晃庸)
仏像をモチーフに作品づくりをしている田上さんは、仏像という存在を表現しているのではなく、自分の心の闇を表現するために取り組んでいるという。
仏像を前にしたときに感じる自分の心、そして、仏像を前にしてはいるが、その向こうに見えてくる自分と自分の中の神の存在を表現したいとも……。
表現力向上プロジェクト「存在」を表現する(蓮見浩明)
桜をモチーフにした日本画風の作品づくりをしている蓮見さんは桜の背後にある空間を存在として表現するために、「金泥雲母」を散らして光らせています。
伊勢和紙の三椏オリジナル和紙にプリントしていますが、シャープネスがかかり過ぎていないか、吉田先生、諏訪先生からアドバイスをいただきました。
表現力向上プロジェクト「存在」を表現する(村田光司、野村美和、佐藤素子、佐々木一弘)
村田さんは神主さんが不在の荒廃した神社の作品を浮世絵風に仕上げました。民の存在がないと神様は存在できないのではないかと考えられたという。
野村さんは金魚が入っていない金魚鉢のように、何かが不在であることによって、そのものの存在が強く浮かび上がってくるのではないかと語ってくれました。
佐藤さんは、足元に生きる小さな植物たちの存在を際立たせる作品を発表。その小さな生き物たちに、自分自身の存在価値を投影しているように感じられました。
佐々木さんは野鳥の存在が強く感じられる作品とともに、お祭りで踊る若者たちの中にある「なぜ、踊るのか」という決意を表現することに取り組みたいという。
見学の皆さんの作品発表
見学に来てくださった皆さんにも作品をご持参いただきました。空の写真、アフリカの動物、艶やかに枯れた花、モノクロフィルム作品、ロードムービーのような作品、海岸に打ち上げられたゴミをオブジェのように撮られた作品など、本当にさまざまなモチーフの作品ばかりで、SAMURAI FOTOメンバーもいい刺激をいただきました。入会された皆さんには、ステートメントや表現法を一緒に学んでいただきながら、ともに世界の写真市場を目指していきたいと思っています。
*当日の動画は[Members only]ページから見ることができますので、SAMURAI FOTOメンバーの皆さんはそちらからご覧ください。