充実のカリキュラム内容
- 和紙プリントのススメ
- ファインアート紙の特徴と特性の傾向
- 自分の作品に適した和紙の選び方
- 品種ごとの用紙特性の違い
- 和紙に対する画像処理ポイント
- プリンターによるプリント特性の違い
- 和紙プリント時のプリンター説定と取り扱い
- モニター/プリンターの調整の重要性
- 用紙選びとプリント実習
あらゆる方向から検証した結果に基づいたこんなにも詳しいセミナーはなかなかありません。
参加者に渡された手づくりの資料
伊勢和紙やアワガミなど24種類の和紙プリントサンプル。村田先生オリジナルの丹精込めてつくられたサンプルを見比べながら、それぞれの和紙について学びました。
用紙の特性を知るための黒の濃度や色調をあらわすグラフや当日の講座の内容がすべて入ったCDも参加者ひとりひとりにお持ち帰りいただきました。
座 学
日本古来のメディアで長く飾っても飽きがこないし、作品性を高められる和紙だが、光沢紙やマット紙と比べて黒の濃度が出ない、狭い階調域といった短所がある。
向いている絵柄はシンプルで背景が整理されているもので、ハイライトから中間調が主体のもの。低いコントラストを活かし、粗面のテクスチャーを活かすといい。
和紙プリントでよくある事例は黒が締まらず、メリハリがないということ。染料プリンターでは濃度が出ないので不向きだし、顔料でも機種によって濃度が違うという。
和紙には紙色の違いがあり、テクスチャーの違いもある。また、伊勢和紙の場合には粗面と滑面という裏表にプリントできるが、その違いもある。
24種類の和紙サンプルで見るとそれぞれの特徴が把握しやすい。シャドウ部の分離と濃度、竹のディテールや艶やかさ、地面のシャープさやコントラスト感を見比べた。
もちろん、それぞれの用紙の特性を検証した結果も発表。黒の濃度や紙色、不純物、向いている絵柄、価格やサイズについても詳しく解説していただいた。
絵柄による補正例も教えていただいた。このようにトーンカープで補正するいくつかの例を知っておくことで、補正がじつにしやすくなる。
プリンターの機種によって黒の濃度が違うが、プリント速度(高精細か超高精細か)やプリント設定(知覚的か相対的か)などでも違うことを学んでいただきました。
用紙選びとプリント実習
EIZOさんのグラフィックモニターColorEdge CG247をお借りしてプリント実習。SAMUARI FOTOメンバーも使用しているキャリブレーションモニターです。
エプソンさんからもプリンターのご提供をいただきました。PX-5V、5002、SC-PX5Vll、PX3Vでの黒の濃度の出方なども検証させていただきました。
プリント実習にはSAMURAI FOTOの蓮見会長も加わってもらいました。参加者の方々が持参した画像がどの和紙に向いているのか相談してから補正を開始。
用紙を決めたら、Photoshopの[校正設定]であらかじめ作成しておいたICCプロファイルを選択して紙色をシュミレートし、補正を進めていく。
この日用意した和紙は、伊勢和紙のPhoto雪色、Photo優美、Photo芭蕉とアワガミの竹和紙と楮 二層紙。ほんどの方が和紙へのプリントは初めてでしたが、村田先生と蓮見会長に補正を教えてもらいながら、それぞれが思い通りの作品に仕上げられました。和紙プリントはむずかしいものですが、村田先生が持つあらゆる角度から研究された注意点やコツを一度覚えてしまえば、思いのほか手軽にプリントできるようになります。また、さまざまな和紙へのプリントの仕方(補正例やプリント設定など)を学ぶことで、半光沢紙やマット紙などあらゆるインクジェット用紙へのプリントも簡単にできるようになります。
村田先生のアート紙にプリントする勉強会などの講座は今後も2~3カ月ごと開催される予定です。SAMURAI FOTOの「Events/News」ページなどで講座のご案内をしますので、ご興味のある方はぜひお申込みください。