小澤貴也さん(EPSON販売)によるレクチャー「プリントと写真」
プロのレタッチャー、プリンターとして活躍されている小澤さんからは、まず良いプリントとは何か。そのためにやっていることの流れを説明していただきました。
実際の補正では、①作品性を反映させる。②クオリティを高める。③用途・用紙に合わせて。補正の目的を明確に言語化しながら行なっていくといいという。
プリントは鑑賞距離に置いてチェックすることが重要。余白を取る場合にも「偏芯」といって、46 : 54(スクエアの場合は48 : 52)などにしていると教えていただいた。
どのように仕上げたいか。何を表現したいのか。どのような文脈で販売していくか。それらを十分に考慮してつくられた小澤さんのプリントは本当に美しいものでした。
小澤貴也さん(EPSON販売)によるプロのレタッチ・テクニック
『Photoshopプロフェッショナルの教科書』の著者でもある小澤さんからは、実際のレタッチのテクニックの数々をレクチャーしていただきました。
まず最初に行なうのがデータの情報を把握すること。そこに情報があるのか、トーンジャンプしていないかなどをこうして確認しておくという。
普通、彩度を上げると明度も上がる。しかし、レイヤーモードを輝度、カラー、彩度にしてから作業すると、彩度だけあるいは明度だけなどを動かせる。
ある部分を選択してマスクをつくって補正していくとき、マスクの境界線と背景のピントが違っているとバレるので、ピントを合わせるレタッチが必要。
大川泰輔さん(SEIKO EPSON)による「ファインアーティストのためのプリンター使いこなし術」
大川さんには、さまざまな用紙に対して最適な印刷結果を得る方法と和紙やファインアート紙のトラブル回避方法について語っていただきました。
なかなか見ることのできないプリントヘッド。肉眼では見えない細かい穴からインクが吐出される。撥水する仕組みにもなっていました。
最適な結果を導き出すためのプリンターの扱い方から用紙の保管法、ドライバーの設定、EPSON PrintLayoutの活用法など、丁寧に教えていただきました。
インクの吐出量、紙とヘッドの間隔、インクの吐出制御など細かい数値を解説していただきながらの、失敗しないためのノウハウは目から鱗でした。
大川泰輔さん(SEIKO EPSON)による「Palm Springs Photo Festival 2016報告」
今年4月に参加されたPhoto Festivalの中で開催されたアートマーケットに挑戦するためのセミナー(内容は140ページ)を解説してくださいました
Alice Sachs Zimetさんの講義内容は、アート市場で成功するためのAtoZ。どのような方法でどのように動くか。とても参考になるものでした。
ギャラリーとの付き合い方からサインの書き方など細かいことまで。ステートメントに含むべき項目や、効果的な見せ方などとてもわかりやすかったです。
レビューを受けるときに必要な短いスピーチはSAMURAIでも用意していくものですが、その重要性と時間、キーフレーズについてなど役立つ内容でした。
EPSONさんとの座談会
「明度一定で彩度のみ変化させた青色相グララデーションで、色変換インテントによって明度の変化が違うのはなぜか」と質問にも真剣に答えていただいた。
SAMURAIの用紙の達人・村田さんからはSC-PX3Vで伊勢和紙 芭蕉にプリントした場合のLab値の検証結果を報告。レベルの高い座談会になりました。
SC-PX3Vプリント体験会
EPSONさんには新しいインクが搭載された最新プロセレクション・プリンターSC-PX3V(A2ノビ対応)機もお持ちいただき、プリントの体験をさせていただきました。日頃、CANNONのプリンターを使用しているメンバーも仕上がりの違いについてなど、さまざまな気づきを体験させていただきました。
EPSONさんの海外専売ファインアート紙「Legacyシリーズ」もご紹介いたただきました。画質と保存性のバランスを追求されたというこのコットン紙にはPlatine、Baryta、Fibre、Echingという4種類があり、質の高いインクジェット用紙。国内では未販売ですが、海外通販で購入できるとのことです。
というわけで、この日はプリントを極めながら海外に挑戦しているSAMURAI FOTOメンバーにとって、さまざまな役立つ情報をEPSONさんから長時間にわたって教えていただきました。この場をお借りして、お礼申し上げます。
当日の動画は[Members only]ページから見ることができます。SAMURAI FOTOメンバーの皆さんはそちらからご覧ください。