セミナー&プリント体験 アートプリント勉強会を開催しました

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プロファイルの活用でアート紙をコントロールする
/カラーマネージメントエキスパート 冨川丈司

プロファイルの活用でアート紙をコントロールする

ICCプロファイルやモニターキャリブレーションなど、画像データを的確にプリントするためのカラーマネージメントのスペシャリストとして活躍する冨川さんは、この分野では先進的な存在であり、日本で指折りの講師でもあります。今回もプロファイルづくりのノウハウを基本的なところから説明していただきました。そして、詳細なテスト結果を元に、プリント設定の際に気をつける点に関してもレクチャーしていただきました。
ここでは、とくに「プリント設定」の際に迷う方が多い「知覚的」か「相対的」か、「黒点補正にチェックを入れるべきか」についてレポートします。

プロファイルの活用でアート紙をコントロールする
階調を保持することを重視し、多少の色の変化を許容する場合に「知覚的」を選ぶ。色域の保持を優先したい場合には「相対的」を選ぶといい。

プロファイルの活用でアート紙をコントロールする
「知覚的」を選んだ場合には「黒点補正」をオンにしてもオフにしても結果はほとんど変わらないが、「相対的」の場合にはオンオフで変わる。基本はオンにしておく。

美しいプリントのためのPhotoshop基本講座/蓮見浩明

美しいプリントのためのPhotoshop基本講座

蓮見さんは美しいプリントを出力するためのデータづくりのポイントをレクチャー。PhotoshopのCamera Rawの説定と現像、修正プラシの使い方、シャープネスの正しいかけ方を教えていただきました。そして、最終的には、カラーデータからモノクロに仕上げるところまで、丁寧に解説していただきました。
ここでは、PhotoshopのプラグインソフトであるSilver Efex Pro2での印象的なプリントに仕上げるための加工についてレポートします。

美しいプリントのためのPhotoshop基本講座

美しいプリントのためのPhotoshop基本講座

左はSilver Efex Pro 2でモノクロ化しただけの画像。右側はSilver Efex Pro 2の中にある[周囲焼き込み]ツールを使って上下のみ焼き込みました。Photoshopでのグラデーション処理はトーンジャンプが起こしやすいのが欠点ですが、このツールを使うとなめらかなトーン加工ができ、印象的なモノクロ写真に仕上げられます。

ファインアート紙で広がる「自分流の表現」のための用紙選びのコツ/村田光司

ファインアート紙で広がる「自分流の表現」のための用紙選びのコツ

写真はプリントする用紙によって、その印象がかなり変わってきます。見慣れた光沢紙にプリントした作品もファインアート紙にプリントすることで、風合いの感じられる素敵な作品に生まれ変わります。用紙の達人ともいわれている村田さんからは、さまざまな種類のファインアート紙の特性の違いと、自分の作品に合った用紙の選び方や使いこなし方のコツを解説していただきました。
実際に、同じ画像をさまざまな用紙にプリントした実例も見せていただき、その違いには驚かされました。
ここでは、ディスプレイと合わせやすい用紙と合わせにくい用紙、ファインアート紙の使いこなしのポイントをレポートします。

ファインアート紙で広がる「自分流の表現」のための用紙選びのコツ
光沢紙や半光沢紙は的確にキャリブレーションされたディスプレイであればほぼ見た通りにプリントされるが、アート紙の場合にはPhotoshopの校正設定でシミュレーションして、ほぼどのように仕上がるかを見ておきたい。

ファインアート紙で広がる「自分流の表現」のための用紙選びのコツ
ディープシャドウ部が出にくいことが多いアート紙を使いこなすときは、補正などの段階で黒を締めすぎないのがポイント。ディスプレイの調整とICCプロファイルをきちんとしたうえで、校正設定でシミュレーションして補正したい。

EPSON SC-PX5V ll 使いこなし講座/佐々木一弘

EPSON SC-PX5V ll 使いこなし講座

GANREFのモニターとしてEPSONの新プリンターSCPX5V llを使い倒して、30個近くのレポートを書いた佐々木さん。その佐々木さんだからこそ知り得た使いこなしやプラグインソフトの詳しい情報を語っていただきました。また、基本的なインクジェットプリンターの仕組みとなかなか聞けないプリントのコツなども教えていただきました。
ここでは、とくにCANONプリンターに付属するPrint Studio ProとEPSONのSC-PX5V llに付属するPrint Layoutなどソフトについてレポートします。

EPSON SC-PX5V ll 使いこなし講座

EPSON SC-PX5V ll 使いこなし講座

Print Studio ProはEOSなどのCanon製デジタルカメラに付属する[Digital Photo Professional]で[プラグイン印刷]を選択すると起動します。Photoshopからは[ファイル]→[自動処理]→[Canon Print StudioPro]で起動します。Lightroomからは[ファイル]→[プラグインエキストラ]→[Canon Print Studio Pro]で起動。このソフトは印刷に関する設定が簡単にできるだけでなく、高度な設定も可能。実際に画面で用紙レイアウト見ながら調整します。また、大きな特徴として、パターン印刷といって色味などを変えてサンプル印刷をすることも可能。この機能を使って実際の用紙にさまざまな色味で印刷できますし、モノクロモードを適用することもできます。

EPSON SC-PX5V ll 使いこなし講座

EPSON SC-PX5V ll 使いこなし講座

Print Layoutを起動するためには PhotoshopまたはLightroomが必要です。Photoshopの場合は[ファイル]→[自動処理]→[EPSON Print Layout]を選択。
Lightroomでは[ファイル]→[書き出し]を選択し、EPSON Print Layoutを書き出し先に選択して、書き出しをクリックすると起動します。こちらも印刷に関する様々な設定が簡単にできます。実際にプリントレイアウトを見ながら調整するので、余白の調整を含めてとてもやりやすい。最大の特徴はICCプロファイルの情報を使って、色味を画面に反映しているので、実際の印刷するイメージがつかみやすいこと。カラーマッチングの知覚的、相対的にも対応しています。モノクロモードでも情報が反映するので、モノクロ印刷のイメージ画像を見ながら調整できます。これまでのEPSONプリンターでも使うことができるので、メーカーのHPからダウンロードをしてください。

アート紙での補正・プリント体験会

アート紙での補正・プリント体験会 アート紙での補正・プリント体験会
アート紙での補正・プリント体験会 アート紙での補正・プリント体験会
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アート紙での補正・プリント体験会 アート紙での補正・プリント体験会
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後半のおよそ3時間は、参加された皆さんが持参されたデータを元に、SAMURAI FOTOメンバーがひとりずつ付いて、ご希望の補正を仕上げていき、最終的にはプリントを……。ピクトランバライタやEPSON Velvet Fine Art Paper、伊勢和紙Photo雪色、フレスコジクレーなどのさまざまなファインアート紙に合うレタッチのノウハウを知っていただくとともに、プリントのコツも学んでいただけたのではないかと思います。ご参加してくださった皆さん、たいへんお疲れさまでした。今後もこのようなアート紙プリント勉強会は続けていきますので、ぜひともよろしくお願いいたします。

当日の動画は[Members only]ページから見ることができますので、SAMURAI FOTOメンバーの皆さんはそちらからご覧ください。