特大プリントのための加工のノウハウといま日本人が発信すべきアートとは

2016年11月3日勉強会の議題

  1. Bゼロ以上の特大プリントについて(千代田)
  2. 特大プリントのためのレタッチの注意点(蓮見・佐々木一弘)
  3. 11月以降のSAMURAI FOTOスケジュール(佐々木一弘)
  4. 来年のグループ展について(蓮見)
  5. 作品発表(佐藤)
  6. 表現力向上プロジェクト「同じデータから各々のコンセプトでプリントする」
  7. リオ五輪会場で学んだ最近のアートとは(吉田先生)
  8. 日本的でないモチーフでも日本を感じさせる作品(吉田先生)

Bゼロ以上の特大プリントについて(千代田路子)

Bゼロ以上の特大プリントについて(千代田路子)
『お七』プロジェクトではA2サイズの和紙にプリントしている千代田さんですが、写真展用などに特大プリントしたらどうなるのかを検証するため、千代田さんはEpsiteのラボで大伸ばしたものを持参されました。

Bゼロ以上の特大プリントについて(千代田路子)
大きく伸ばすと小さい時には見えなかった様々なことが把握できる。確認したいのはオリジナル画像の解像度がプリントサイズに足りているか。補完しても解像度は上がらず変わらない。シャープの掛け方にも注意が必要だ。

特大プリントのためのレタッチの注意点(蓮見浩明・佐々木一弘)

特大プリントのためのレタッチの注意点(蓮見浩明・佐々木一弘)
どのサイズまで伸ばせるかを確認するには、Photoshopの[イメージ]→[画像解像度]で解像度を150pixelに。このとき出てくる幅と高さが伸ばせるプリントサイズの最大値。これ以上は伸ばさない方がいい。

特大プリントのためのレタッチの注意点(蓮見浩明・佐々木一弘)
特大プリントするときシャープネスの掛け方には注意が必要。Camera Rawの[ディテール](左から3つ目)を開くと[シャープ]があるが、[適用量]がデフォルトでは25になっているので、ここを0に変更しておく。

特大プリントのためのレタッチの注意点(蓮見浩明・佐々木一弘)
プリントする画像をCamerw Rawで開くと、最下段(ピンクの矢印)に画像データのカラースペースやbit数、解像度などの数字がアンダーライン付きで現れる。ここをクリックして[ワークフローオプション]を立ち上げる。

特大プリントのためのレタッチの注意点(蓮見浩明・佐々木一弘)
[プリセット]の3つ目の[シャープ出力]の中の[シャープの対象]のボックスにチェックを入れると、右側に「スクリーン、光沢紙、マット紙」という用紙の種類が出てくるので、該当する用紙を選んでおく。

11月以降のスケジュール(佐々木一弘)

11月以降のスケジュール(佐々木一弘)
11月6日にデボラ・クロチコさんの講演と公開レビュー、12月18日にはエバレット・ブラウンさんの公開レビューと海外に挑戦するためのレクチャーなど、通常の月例勉強会以外のスケジュールの発表。来年2月の写真展に合わせた活動の再確認をしました。

来年のグループ展について(蓮見浩明)

来年のグループ展について(蓮見浩明)
2017年のCP+に合わせて、みなとみらいで開催予定のSAMURAIグループ展「Emerging Visions of Japan」が目指すところは何か。自分たちの写真展で社会に貢献するためにどのような作品をつくり、どのような企画を展開するべきかを話し合いました。

作品発表(佐藤裕保)

作品発表(佐藤裕保)
プロジェクトをまとめるまでに至っていなくてもSAMURAIでは積極的に作品を発表してもらっています。見せることによって多くの人の意見を吸収し、作品をまとめるための力をつけていただくためです。

作品発表(佐藤裕保)
佐藤さんは、吉田繁先生のPhotoshop講座やSAMURAIがメンバー同士で行なっているステップアップ勉強会で学んだテクニックを実践した作品を披露。上手くできているか、今後の課題などを教えてもらいました。

表現力向上プロジェクト「同じデータから各々のコンセプトでプリントする」中村さん画像

作品発表(佐藤裕保)
今回の宿題プリントの課題画像は新メンバーの中村豊美さんのプロジェクト「花愛撫」から。今回と次回の勉強会の2回に亘って、各人のコンセプトに基づいたプリントを発表してもらいます。

作品発表(佐藤裕保)
青山さんと原田さんがプリントを発表。青山さんは背景をシンプルに処理したあとふんわりと仕上げて夢の中のような画像に。原田さんはコントラストを上げてビビッドな色が印象的なプリント。詳しくは次回のレポートで。

リオ五輪会場で学んだ最近のアートとは(吉田繁先生)

リオ五輪会場で学んだ最近のアートとは(吉田繁先生)
取材で訪れたリオ五輪会場には東京2020五輪の文化プログラムの先導的役割を果たす「東京キャラバン」「TURN」「TOHOKU&TOKYO in RIO」という3つのプログラムが披露されていた。なかでも、吉田先生が感銘を受けたのは日比野克彦氏が監修したアートプロジェクト「TURN」だったという。

リオ五輪会場で学んだ最近のアートとは(吉田繁先生)
「TURN」は日本とブラジルのアーティストがサンパウロに滞在しながら福祉施設に通い、入所者の日常に触れながら関わっていく交流プロジェクト。アーティストや出来上がった作品だけでなく、施設や地域の人たちを含め、その交流の過程までもアートとするのが最新のアートのトレンドだ。

日本的でないモチーフでも日本を感じさせる作品(吉田繁先生)

日本的でないモチーフでも日本を感じさせる作品(吉田繁先生)

日本的でないモチーフでも日本を感じさせる作品(吉田繁先生)

日本人として海外へ出ていくとき日本らしいモチーフ(桜、富士山、ツル等)を使わないと不利ではないか。SAMURAI FOTOの来年のグループ展でもタイトルが『Emerging Visions of Japa』である以上、海外の動物や風景をモチーフにしていると参加できないと考える人が多い。しかし、モチーフが何であれ、日本人らしい表現によって世界で認められているアーティストはたくさんいる。吉田先生が出会った福井江太郎氏と岡村桂三郎氏の作品もそうで、福井氏はアフリカなどを起源とする駝鳥、岡村氏はゾウをモチーフにしている。それでもお二人の作品はとても日本っぽく見える。そういう発想で作品づくりをしていくほうが被写体に頼らない自分の思想に乗っ取った力強い作品ができる。
 福井江太郎 http://www.kotaro-f.com/index.html
 岡村桂三郎 http://www.gallerykobayashi.jp/artists/okamura/

当日の動画は[Members only]ページから見ることができます。SAMURAI FOTOメンバーの皆さんはそちらからご覧ください。