湿板光画で「日本の面影」を表現するエバレット・ブラウンさんの作品世界

湿板光画で「日本の面影」を表現するエバレット・ブラウンさんの作品世界

「湿板光画」は1850年代から普及し、乾板写真が発明される1870年代まで使われていた手法。エバレットさんは木製の三脚に、1860年代の古いカメラとレンズで作品づくりをしている。なぜ、そのような古い手法を使い、古い機材をあえて選んだのか。その理由から説明しとていただきました。

湿板光画で「日本の面影」を表現するエバレット・ブラウンさんの作品世界

とても顔の広いエバレットさん。この日のセミナーにもたくさんの方が集まった。日本語がとても流暢なのはもちろんですが、ウィットに富んだ話題もあり、随所で皆さんの笑い声も響いていました。

湿板光画で「日本の面影」を表現するエバレット・ブラウンさんの作品世界

現代の日本に残る「日本の面影」を表現することをコンセプトにして作品づくりをしていこうと決めたものの、当初は何をモチーフにしたらいいのかわからなかったというエバレットさん。それでも、始めなければ進まないのでとにかく撮っていくとさまざまな出会いによってやがて、方向性が見えてきたそうだ。

湿板光画で「日本の面影」を表現するエバレット・ブラウンさんの作品世界

いま撮ったものなのに、まるで遠い昔に撮影したもののように見える作品。写真科としての日本における使命は記憶とは何かを提示し、記憶とは何かを提示すること。風景の中に埋もれた古い記憶を見つけ、前面に押し出し、現在と未来の元に連れ出して称賛しようと試みているとエバレットさんはいう。

湿板光画で「日本の面影」を表現するエバレット・ブラウンさんの作品世界

ガラスの上に溶剤を塗って現場でネガをつくる。露光には時間がかかるため一瞬ではなく長くレンズを開けていなくてはならない。そのため人物には30秒動かずにいてもらうこともある。歴史的な写真に見えて実際は現代の写真であことは、多くの日本人が忘れている埋もれた記憶を呼び起こしてもらいたいからだと語った。

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このセミナーのあとにニューヨークのコンテンポラリーアートのギャラリーでの写真展を控えているエパレットさんは、「着物物語」という新しいプロジェクトも進行中。これはデジタル処理によって、色を反転させるなど着物の柄を注視してもらうことをテーマとしている。さまざまな文様が美しく浮かび上がっていました。

動画「2/24 エバレット・ブラウンさんセミナー・ダイジェスト」